XJ900の爽快チューン
2012年8月27日 - 2012年第3回ダンロップツーリングステーション@猪苗代(復路)
     
 コンフォートホテル郡山で、出発以来初めてPCをインターネットに接続できた。高速回線のおかげでストレスなく地図を眺め、国道番号をメモしてBBSにアップ。 それによると今日のルートは、4→118→121→119
→120→122である。ついでにこっちのサイトで距離を計算。ルート検索でスタートとゴールを決め、ルートの決定後、設定を“一般道路優先”にすると、たちどころに区間距離が表示されるのだ。ただ、郡山から蓮田に行くのに、今回の経路は一般的ではなく(笑)、何区間かに分けて検索し、それらを合計しないと総距離はわからない。その結果、もっとあるはず…との期待に反し、たったの280kmしかないことがわかった。

 8時すぎにホテルを出、在来線を跨ぎ 新幹線をくぐって国道4号へ。広く、流れも速い4号を南下し、須賀川で118に右折する。 東北自動車道と東北新幹線を越えると景色が一変し、のどかな農村地帯を延々と走る。狭い盆地のどん詰まりみたいなところに[↑294・118→]の標識があり、 294なんてのは記憶にないから118へ右折。 曲がったとたんに、狭くて勾配の急な、京都の花背峠みたいな(あれほど路面は荒れちゃいないが)峠道にさしかかった。
 ひょっとすると、さっきのT字路は直進だったのでは…と心配しつつ走っていると、途中から道幅が広くなり、路面に無数のドリフト痕がついた“鞍掛峠の滋賀県側”みたいな

感じになり、さらに進んで峠を越えると路面が新しくなり、トンネルを抜けるといきなり、湖にかかる橋の上に居た。景色見たさに急停車。人造湖だから、大自然ではないにしても、この景色は気に入った。背景にしてバイクの写真を撮った。
 郡山からここまで約1時間。まだ9時なのに、道端に立っていると汗ばんでくる。気温が高いというよりは、日差しがあまりにも強く、日に当たっているところから、じわじわ加熱されていくような感じ。今日もまた、暑い一日になりそうだ。
 羽鳥湖から先の区間は、ゆるやかな丘陵地の中を、ゆるやかに流れる川に沿って、ゆるやかにカーブを描く国道をトレースしていく。得意の
須賀川から国道118号で山に入り、トンネルを抜けた瞬間、眼前の景色に思わず急停車。羽鳥湖にかかる橋の上だった。
ゆるゆるツーリングである(笑)。
 まわりの集落に瓦葺きの民家が見当たらないというだけで、自分を取り巻く農村風景が新鮮に見え、旅の途中にいることを実感する。そんな景色の中を30分ほど走ると、 118と121の分岐にさしかかった。 ここは迷わず左折。121南会津方面へ。
 曲がってすぐ、左手に線路が現われた。ん? これは何線だろう…と思いつつ少し走ると道は上りにかかり、左手に、と、そこに停まる気動車を見下ろすことができた。ここまで接近しておきながら、そのまま走り去るわけにはいかない。次の細い路地に左折した私は、旧街道と思しき道を引き返し、駅前に出た。湯野上温泉と書かれた看板を掲げた、

茅葺きの立派な駅舎が見えた。路線名は会津鉄道。旧国鉄会津線だ。
 駅名からして、近くに温泉のある観光地らしい。駅舎に入り、待合室にあった観光パンフレットに目を通すと、日光街道大内宿というのも近くにあり、この駅は、そこへのアクセスポイントにもなっている。観光地と聞いただけで腰が引けるタイプの私は(笑)、温泉にも大内宿にも行かない代わり、かつての貨物ホーム跡と思しき細長い通路を伝って線路脇まで乗り入れ、停車中の気動車を眺めてすごすことにした。
 気動車は、先頭が展望車、中間が側面開放車、後尾が窓の大きなお座敷車の3両編成。エンジンはかかっているが乗客はなく、回送途中の列

車交換待ちのようだ。しばらくすると、気動車2両の対向列車がやってきて、南に向かって出発。続いて、停まっていた3両編成も北に向かって出ていき、構内は静まり返った。
 鉄ちゃんから我に返った私は、街道に出て、121で南下を再開。 右に左に、会津鉄道の線路を見ながら、のどかな田園風景の中を進んでいくと、 やがて121は線路と別れ、勾配もRも緩めながら、延々と続く上り坂に変わった。そして、短いトンネルを抜けると栃木県に入った。
 地名はすでに日光市。なのにちっとも景色は拓けず、今日ここまで走
った中で最も深い山の中。峠を越えてから再び併走するようになった鉄道(このあたりは会津鬼怒川線)と
湯野上温泉駅の、茅葺きの駅本屋(鉄用語?)前にて。旧街道まで50mほどの駅前通りは、昔なつかしい眺めだった。
ここで118と別れ、121へ。大内宿が近いのは、この標識を見てわかっていたが、あまり気が進まず、今回は寄らないことにした。
貨物ホーム跡地と思しき空き地に乗り入れ、3両編成の気動車を観察。こんなのより、オリジナルの58系を見たいものだ。
ともに、渓流づたいに延々と下っていくと、目の前に人造湖が現われ、湖面を跨ぐ橋を3回渡ったところに[道の駅→]の標識があった。
 国道からちょっと離れたところにある道の駅・湯西川で小休止。目の前に五十里湖(さっき渡ってきた人造湖)が見えるが、ここからの眺めは橋の上から見たときほど美しくなく、ただの広い川のような感じ。道の駅自体にも大して見るべきものがなかったので、水分補給(最も小さいペットボトル入りの日本茶)と、おしっこだけして出発した。
 道の駅から出て会津鬼怒川線の下をくぐり、 T字路から再び121を南下する。湖畔を3〜4km走ると五十里ダムをすぎ、そこから道は急な下り

になって川治の温泉街に入る。俗っぽい温泉地には興味がないので、文字どおりスルー。渓流沿いに数分走ると鬼怒川温泉。ここもスルー。このあたりで土地の傾斜が緩くなるとともに前方の視界が開け、関東平野の北縁に下りてきたことがわかる。
 やがて121は川から離れ、 少し行くと、久しぶりに都会の景色。今市である。蓮田に向かうなら、ここから宇都宮か鹿沼に向かうのが素直なコース。しかし、そっちは道が混んでそうだし、暑そうな気もする。
 で、予定どおり、日光方面に曲がり、JRと東武に挟まれた国道を日光の街中へ。東武日光駅前という標識が見えたので、その信号を右折すると、駅前のロータリーに入った。

 ちょっとお茶でも…と、あたりを見回すと“金谷ホテルベーカリー&カフェ”という看板を掲げた店があ
った。かの有名な金谷ホテル系列の店か…まあ、悪くないな…(笑)と、ここで昼メシにしようと決めた。
 階段を上って2階のカフェに入ると、そこには“古き良き時代のリゾ
ート”を思い起こさせる、懐かしくくつろげる雰囲気が満ちていた。チキンカレーの風味も、乳脂肪分の高いちゃんとした生クリームを入れて飲みたくなる古典的かつ濃厚なコーヒーの味も、さすが老舗ホテルの看板を掲げた店だけのことはある。
 もう少しゆっくりしたかったが、表の歩道上に停めっぱなしのバイクが心配だったので、早めに1階に降
山の中で突然現われた121と352の分岐。ここから尾瀬を経て新潟県小出までの山岳路が352。いつか走りに来たい道だ。
東武日光駅前で見つけた金谷ホテルベーカリー&カフェ。看板の書体も、内外装も、80年代そのままといった雰囲気。
りてベーカリーの商品を眺め、今井さんへのお土産にクッキーの詰め合わせを1箱買って行くことにした。
 駅前のロータリーを出、緩く傾斜した市街地を貫く国道を坂の上のほうに進むと、川を渡ったところでT字路に突き当たる。どうやらここが国道122号の起点のようで、 あとは蓮田まで、 ずっと122を走っていけばいいはずだ。さらに遠まわりをして、 120で中禅寺湖経由沼田へ出るというテもあるが、そちらは見どころ満載の道だから、距離はともかく時間がかかりすぎるに違いない。またの機会にゆっくり走りたい道だ。
 そんなわけで、清滝バイパスが終わったところで[← 122]の標識に従って左折。少し登った先にある長

いトンネルを抜けると、あとは延々と川に沿って、途中からは鉄道(わたらせ渓谷線)と併走して山を下りていく。標高が下がるにつれて、どんどん気温が上がる。日光を出てから1時間以上黙々と走り続け、桐生あたりで灼熱の関東平野に出た。
 途中でリザーブに切り替えたのを思い出し、北関東道の太田桐生IC近くのガソリンスタンドに入るまでの間、暑さと眠さで意識が朦朧としており、あまり記憶がない(笑)。前回の給油から457kmの走行で18.99L入り、24.85km/Lを記録。 悪くはないが、この走りなら25km/Lは超えてもらわないと…。燃費改善には、開け方以外にも、まだまだやらなきゃならないことがたくさんありそうだ。

 ガンガンに冷房の効いたスタンドの待合室で、しばらく体を冷やした後に出発。あと少し…だと思っていたが、甘かった。変化のない、平らな土地を延々と走るのは、京都人には苦痛どす(笑)。おまけにここは京都より暑おす。最後はけっこう嫌になりながら、何とか蓮田にたどり着いたのは、16時すぎだった。
 今井さん宅では、着いてから寝るまでの6時間くらい、表の歩道に停めたバイクをガレージに入れるのも忘れたまま、面白そうな機械類や珍しいパーツなどにも見向きもせず、ず〜っとしゃべりっぱなし。第三者には禅問答みたいな会話だったかもしれないが、積もる話を語り合い、心地よく眠りにつくことができた。


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