XJ900の爽快チューン
2012年8月26日 - 2012年第3回ダンロップツーリングステーション@猪苗代(当日)
     
 昨日の話が中途半端で終わっていたので、まずはその続き。国道49号から115号に左折したあと、115を北に向かうと、福島市に抜ける峠の手前に会場があり、さらにその手前のナントカ温泉というところにスタッフの宿舎が用意されている…はず。
 それ以上のことは、シートにくくりつけたバッグの中から厳重に梱包したPCを取り出し、運営マニュアル
.pptという書類を開かないとわからない。メンドクサいったらありゃしない(笑)。そうした事態を避けるべく 115を走り続けると[箕輪スキー場入り口↑800m]の標識が見えた。
 いくら物覚えの悪い私でも、この名前には見覚えがあった。800m先が入り口か…と、減速して走っていると、標識がたくさん立ち並んだ分岐にさしかかった。目を皿のようにして全部の標識を読んだが“箕輪”の文字は見当たらず、ここじゃなさそ

う…と判断し、曲がらず直進。ところが、その先にはもう分岐も交差点もなく、走っているうちに土湯トンネルの入り口に来てしまった。時刻は午後5時ちょうどくらい。天気はよく、あたりはまだ充分に明るい。
 トンネル手前の広い空き地にバイクを停め、しゃあないなあ、PC開いて調べるか。めんどくせえなあ…と落胆しつつ、気分転換に辺りの景色を見わたすと、斜面の下に広大な駐車場が見え、一角に黄色いテントが並んでいた。よく見ると、テント周辺に何人ものスタッフの姿が…。
 無事に会場に着けたことよりも、PCを出さずに済んだことにほっとして(笑)、再びバイクに跨がり、来た道を引き返した。逆方向からのアプローチに対しては、ちゃんと[←箕輪スキー場]の標識があり、それに従って左折。続いて右折すると、すぐに会場の入り口が見えた。

 イベント会場となる箕輪スキー場の広大な駐車場に乗り入れ、ダンロ
ップの黄色いテント列の前に停車。明日の準備を終えたスタッフと簡単に挨拶を済ませ、国道からの分岐点がわかりにくかったことを告げ、黄色い幟の追加をお願いした。
 駐車場内の一段高くなった平地には、ジムカーナふうのコースが設営されており、今回は試乗車も2台用意されている。仕事を終えたスタッフに混じって、 そのコースにXJ900で乗り入れ、周回してみると、全然ダメじゃん(笑)。ローでは低すぎセカンドでは高すぎる減速比も、ブレ
ーキングや体重移動による大きすぎる姿勢変化も、こういうコースにはまったく適さず。乗り方を工夫すれば、もう少しマシな走りができるかも…と思ったが、その前にコケでもしたら大変なので、やめにした。
 会場から宿舎までは、要所要所に
リゾートインぼなりから出動前のひととき。荷物は、この積み方で大きな不満はないが、防水性はもう少し何とかしたいところ。
タイヤの空気圧無料点検・調整テント内の作業風景。もちろん、空気圧やタイヤに関する質問にも専門家が答てくれる。
トークショーに引き続いて行われる“じゃんけん大会”では、ダンロップのロゴ入りタオル、キャップ、Tシャツなどをプレゼント。
幟や看板を追加しながら、スタッフのクルマといっしょに移動。国道を外れ、温泉街を通り抜け“磐梯高原リゾートインぼなり”に着いた。
 温泉好きにはたまらない設定。しかし、そんなことよりも、この期に及んでようやく、ここが沼尻温泉の一角だと気がついた私は、沼尻鉄道の廃線跡を訪ねてこの地を歩いた高校2年の夏にタイムスリップ。夕食後、ぼなりの館内を探索すると、廊下には沼尻鉄道のフォトギャラリーがあり、売店には“懐かしの沼尻軽便鉄道”という写真集が…。即買いして部屋に持ち帰り、相部屋の八代さんに不審な目で見られた(笑)。
 温泉で2日分の汗を流した後は、八代さんとサシでバイク談議。役得ですよ〜(笑)。話の中味は、レースやサーキット走行ではなく、ストリ
ートバイクの“足”についての、かなり突っ込んだ意見交換だったかも

しれない。これはまた、翌日のトークショーの予行演習にもなった。
          ●
 当日朝、9時出勤の八代さんと私以外のスタッフは、6時に宿を出て会場に向かった。それを見送り、朝食開始の7時15分まで、 近所をひと
っ走りした。バイクに乗りたかったのと、沼尻駅跡を探したかったのの両方だ。残念ながら駅跡は見つからなかったが、すがすがしい高原の朝の空気の中を気持ちよく走れた。
 朝食を済ませ、レンタカーの八代さんを先導して会場に着いたのは8時半ごろだった。もうすでに、たくさんのお客さんが集まっていたので慌てて着替えをし、持ち場につく。私の持ち場は、一応、タイヤ空気圧無料点検・調整テントの脇の“足回り無料セッティングアドバイス”と書かれた看板の近く。看板以外に何もないから、看板男である(笑)。

 で、毎回、最初のお客さんだけはここで相談を受けつけるのだが、話しているうちに、いつも「アナタのバイクのところに行きましょう」ってことになり、お客さんのバイクを前に、眺めたり触ったりしながら話をしている。そうしている間に、次のお客さんに声をかけられたり、スタッフが次のお客さんを連れてきてくれたりする。だから、持ち場で待機していることはほとんどない。
 この日のトップは、CB1000SFのライダーだった。話を聞くと、操縦性と安定性には不満はないが、乗り心地をもう少し何とかしたいようだ。止まったままのマシンのフロントフ
ォークとリアショックを伸縮させてみると、フロントはバネの強さの割に伸び減衰が弱く、リアはとにかく硬くて沈み込みが全然足りない。
 彼に限らず、乗り心地に不満があ
って相談に来る人の大半がこのパタ
マニアの方に、工具なしで外せるパーツを外して改造ポイントを説明。しばらくぶりのエアクリーナー組み立てにしばし悩む(笑)。
じゃんけん大会の後半、ステージに現われたカワサキZ乗りツインズの西村梨沙ちゃんと香折ちゃん。別嬪さんの姉妹である。
ーンだ。とくにリアショックに関しては、プリロードをかけすぎたマシンが多く、フロントブレーキをかけたときはもちろん、高回転の場合はスロットルを戻しただけでもリアシ
ョックが伸びきり、リジッドになっているのではないかと思われる。こうしたセッティングでは当然、定常走行中に路面の凹凸を通過したときにも伸びきりに達する瞬間があるはずで、伸びきりから復帰するときの作動開始入力が大きければ大きいほど、復帰に必要な入力値が大きくなり、乗り心地悪化の要因になる。
 こうした話をしながら、彼には、とりあえず、伸び側ダンピング調整のできないフロントフォークに対しては1ランク硬めのフォークオイルを試してみること、フルアジャスタブルの社外品リアショックに対してはプリロードを減らしてみる(車高が下がって弊害が出るようなら車高

調整で補正する)ことを提案した。
 その後 ハヤブサ、748R、1098S、W650、NSR250R、ゼファー750などなど、多くのマシンのライダーに声をかけていただき、そのつど実車を前に、あ〜だこ〜だと講釈を垂れつつセッティングの方向性をアドバイスする。中には“ここをこうして、あそこをどうして”みたいな解決策の提示を期待していた人もいたが、そういう人には、それはできませんとお断りしたうえで、なぜできないのかを説明し、納得してもらった。
 今回気がついたのは、社外品リアショックの多さだ。ざっと見回っただけでも、オーリンズ、WP、ナイトロン、ショーワ、カヤバ、クァンタムなどの装着車がいる。それらはおそらく、ダンパーの性能的には純正品より良いのだろうが、スプリングの選定と設定は、果たして適切なのか…。大いなる疑問である。

 話に熱中していると、スタッフのひとりが呼びに来た。すっかり忘れていたトークショーの時間だ(笑)。今回は前回までと異なり、トークシ
ョーは午前中の1回だけ。その代わり時間を長めにし、中味の濃い話をさせようという感じである。せっかく八代さんと私がいるのだから、私を質問者にして、ライダー八代俊二の過去を暴く…みたいな内容にすればいいのに(笑)。でも、それだと、昔のレースになじみのないお客さんにはつまらないかもしれない。
 …というわけで? 司会のお姉さんの質問に、2人が交互に答える形式のトークショーがスタートした。テーマはもちろん“ツーリング”である。ツーリング時のライテクや安全運転に関する心構え…みたいな話は八代さん、ツーリングの楽しさやツーリングマシンの整備に関する注意点…みたいな話は私が、それぞれ
八代さんによる、試乗車を使ったライディングレッスンは、今回の注目イベント。多くのお客さんが参加or視聴されていた。爽快チューンの愛読者かどうかは聞き漏らしたが、足まわりの相談を受けた中で最も私の好みと近い足のゼファー750。
司会者の質問に従って答えていく。
 ここで私は、元ライダー・現ライターの八代俊二を見直した。4月の箱根のときのトークショーでは、昔のレースについての話題が中心で、淡々と昔話をしていただけだったのに(笑)、今回は顔つきにも生彩があり、ストリートバイクの試乗や自身のツーリングでの体験をもとに、わかりやすく、感情移入できるスピーチを聞かせてくれたからである。
 トークショーに引き続いては、恒例のじゃんけん大会。前半は八代さんと私が参加者のお相手をし、後半はカワサキZ乗りツインズの西村姉妹(梨沙ちゃん/香折ちゃん)が加わり、会場はオサーン2人が相手のときよりも断然盛り上がる(笑)。
 仕事が一段落し、茨城から来てくれたXJ900乗りのHollyさんと立ち話をしているところへ、狙ったようにCLUB XV 鈴さんが、千葉からスポー

ツスターでご到着。 BBSに“まもなく、出発します”の書き込みがあったのが5時ちょうど。その後、6:55@友部SAの書き込みを最後に消息を絶っていた(笑)から、無事を確認してHollyさんも私もひと安心。
 スタッフが呼びに来たので持ち場に戻ると、 XJ900のまわりに人垣が
…というのはたいそうだとしても、数名の来場者の方が私のバイクを観察されていた。これは何? あれは何?…てな具合に質問され、それに答えつつ、シート、サイドカバー、ガソリンタンクなどを外していく。これが、熱心な改造マニアの方には好評だったようで、今日は雨の心配もないので、しばらくそのままの状態で放置しておくことにした。
 同じころ、一段高い駐車場の敷地では、ジムカーナふうのコースを舞台に、八代さんのライディングレッスンが行われていた。昨夜、足まわ

りやライテクについていろんな話をしたあとだけに、このレッスンを全部参観できないのはとても残念。自分の仕事の隙に一瞬覗きに行ったときは、リアブレーキの使い方の指導中だった。聞きたかったなぁ…。
 再び下の駐車場に戻ると、郡山からトリッカーでやってきたpomodoroさんを発見。ニフティ・サーブ時代の“ヨーロッパ激走の旅”の読者であり、バイク好きでもある彼女とは当時のオフミで何度かお会いして以来、実に16年ぶりの再会である。
 ここで話しだすと、それこそ堰を切ったように熱中し、仕事そっちのけになってしまいそうだった。そこで、しばらく考えた末、今夜の宿泊地を郡山にするから、夜、酒でも飲みながら、ゆっくりしゃべりましょう…と提案。ついでに、厚かましくも、宿の手配をお願いした。
 ツーリングステーションの公式ス
Hollyさんとは、2009年のCLUB XVのオフミ以来、久しぶりの再会。彼のXJ900もまた10万kmを突破したツワモノである。帰りはご一緒に…の、Hollyさん(左。茨城)とCLUB XV 鈴さん(千葉)。遠路はるばるのご参加、ありがとうございました。
ケジュールは、終わりが早い。14時には閉会のアナウンスがあり、参加者の受け付け(記帳)は終了する。だが、もともとツーリングの途中に立ち寄るのに便利なロケーションを選んでいるから、14時を過ぎてからやってくるお客さんも多い。
 いつも、この時刻になると、イベント全体の流れをちっとも把握していなかったことに気づく。それはそれで、自分の仕事に没頭している証拠であり、悪くはないのだが、もう少し、どんなイベントだったのかを知りたい気もする。今回は、幸い、人気の高い“バイク好きおくさんのツーリング日記♪”というブログで詳細にご紹介いただいたので、あとで眺めて楽しませてもらっている。
 さて、終了予定の14時を大幅にすぎ、撤収作業を手伝ったり、あとから来たお客さんの相手をしたりしていると、岐阜のSSさんが、仲間2人

といっしょにやってきた。あのとき
はクルマに積んだMVアグスタF4、このときは素晴らしい足の FZ750で参加されたSSさん。 今日のお供はBMW
R1100RSである。 名古屋のお連れさんとともに、今朝出発して、表磐梯
〜裏磐梯を走りまくってここに立ち寄ったあと、さらに磐梯吾妻スカイライン(浄土平)を駆け抜けて、飯坂温泉に泊まるという強者ぶり。
 SSさん一行を見送ったあと、主催者代表の田村さんから「あとはこっちでやりますから、もう上がっていただいてけっこうですよ」と、八代さんと私に声がかかり、2人とも、16時すぎに会場をあとにした。
 ここから郡山までは、 国道115で猪苗代湖畔に出、あとは49号を東に向かうだけ。 途中の峠で“FAUCHON
cafe”というお店を見つけ、危うくカフェスイッチが入りそうになったが、駐車場からクルマがあふれ出さ

んばかりの盛況だったので、パスして先を急ぐ。日曜夕刻の市内向きとあってか、49号は帰宅ラッシュの様相。途中で追いついたKTM 125 DUKEとともにすり抜けを繰り返す。
 市内に入ってからは、pomodoroさんからのメールに従って、49号から
“うねめ通り”に入り、 国道4号とJRを越え、突き当たりっぽい交差点を右折ののち、少し走って右手の工場が途切れたところで右折…なのだが、一度読んだだけで覚えられるわけがなく(笑)、かといってポケットから携帯を取り出してメールを読むのもメンドクサく、何度か迷った末に、どうにか駅東口のコンフォートホテルにチェックインできた。
 その後は、pomodoroさんの行きつけ?の居酒屋で、たらふく飲み食い
&しゃべりまくり。閉店まぎわのミスドに駆け込んだりもして、郡山んナイトを楽しませてもらった。


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