XJ900の爽快チューン
2012年12月2日 - “飛び出すロードライダー!@筑波”にて青空整備教室を開催
     
 ROAD RIDER FESTA“飛び出すロードライダー!”というのは、ロードライダー誌が主催する読者参加型のイベントである。10時の開会から16時の閉会まで、盛りだくさんのイベントがぎっしり組み込まれているほか、インポーターやパーツ屋さんの出店もあり、 FESTAの名にふさわしいオートバイ乗りの祭典となった。
 私の出番は11時半から約30分間の
“青空整備教室”と、その後制限時間なしで続く質疑応答である。9時半からのスタッフミーティングに間に合うように、8時半ごろにホテルを出発した。結城市から筑波サーキ

ットまで、30分もあれば着くだろう
…と、タカをくくっていたら、途中で原因不明のエンジンストール。いや〜、アセりましたね(笑)。ガス欠みたいな予兆のある止まりかたではなく、突然死に近いので“あ〜、電気が逝ってしもたんか〜、しゃあないなあ…、ここにバイクを置いて、タクシー呼んでサーキットに行くしかないな…”と、暗澹たる気分に。
 が、あきらめるにはちょっと早いので、右のサイドカバーを外し、点火系に給電しているSSRのLEDを覗いたところ、いつもと同じように点灯しており、異常はなさそうである。

 …ということは、もっと深刻なトラブルなのではないか…と、よけいに心配になり、とりあえずその場でガソリンタンクまで外して点検しようと、まずはシート、続いて左サイドカバーを外したところで、あまりの間抜けさに笑いだしてしまった。
 原因は、サイドスタンドの下にかませるために持ってきた木切れがエアファンネルをピタリとふさぎ、ほとんど空気を吸い込めない状態にな
っていたからだと判明した(笑)。
 もちろん、木切れを取り除くだけでエンジンは復活。あとは無事に走り、筑波サーキットに到着した。
全体から見れば少数派かもしれないが、バイクいじりを楽しむ熱心な数十人のお客さんを前に“青空整備教室”を開講。
ロードライダー誌に連載中の“整備のドツボ”のロゴに似せた、今回の“青空教室”のロゴマーク。2013年3月号にも登場。
青空教室が終わったあとでXJ900を観察する、ライターの石橋知也(右)と中村友彦。中村さんには試乗もしてもらった。
 サーキットに着くと、もうすでに多数のお客さんが駐車場に集まり、開場を待っている。パドック内のシ
ョップのテントも準備を終え、デモカーや商品が表に並んでいる。
 9時半からの簡単な打ち合わせを終えたあと、自分の出番までは特に用がないので、パドックをうろつき回る(笑)。その中で滞在時間が長か
ったのは、お兄さんのほうが、かつて XJ900のテストライダーだったという鈴木兄弟の“ブルーライトニング”のブース。ここでは主力商品である i-con(インジェクションコントローラー)の取りつけ作業を見せ

てもらったり、自分のマシンに i-conを取りつけてもらいに来たお客さんとバイク談議に興じたりした。
 コース1000のストレートではドラ
ッグのタイム計測、インフィールドでは撮影会などが行われ、それらが一段落した11時半に、いよいよ青空教室の開演である。おおよその内容と進行は打ち合わせていたが、細かなことは何も決まっておらず、ほとんど即興である。最初に“レバーとペダルのポジションを合わせましょう”的な位置調整の話をしたあと、チェーン調整、そして最後にロードライダーの連載記事に書いたばかり

のキャリパーの位置決め(パッドとディスクの位置調整)の話をした。
 青空教室のような催しは、一方通行(原稿を書くだけ)になりがちな私の仕事にとって、読者の方々からのフィードバックを得る貴重なチャンスである。単にチェーン調整とい
っても、どこに興味を持ち、どこを詳しく知りたいのか、どこがわかりにくいのかなどがわかれば、次にチ
ェーン調整についての記事を書くときの参考にすることができる。
 やはり…と言うべきか、チェーン調整に関しては、具体的な調整作業よりも、前後輪の整列の出し方と点
前後ホイールの整列と後輪の向きを調整するとき“どこに立って、どう見るか”を、お客さんにやってもらいながら解説した。
ショップのブースに展示されていたカワサキZレーサーのスペシャルフレーム。スイングアームの造りと仕上げに、しばし見とれる。
ブルーライトニングの主力製品のひとつ、i-con。取りつけは、STDのコネクターを外し、間にi-conを割り込ませるだけ。
検のしかたが“よくわからない”の筆頭だった。前後輪の“耳”の部分がどのように見えれば良いか…ということよりも、そもそも、どこからどうやって目視するのか、要するに立ち位置や姿勢についてである。これがわからなければ点検のしようがない。今後の記事には、そのあたりも含めて書いていこうと思う。
 30分の“青空教室”が終わったあとは、個別具体的な質疑応答。これは覚悟していたとおり(笑)、 XJ900の改造に関する突っ込んだ質問や、ヤマハ純正部品の互換性に関する質問、ツーリングステーションと同じ

く足まわりのセッティングに関する質問などがメインで、ひとつひとつ答えているうちに14時になった。
 そこから閉会までの2時間は、ロ
ードライダー誌のライター中村友彦さんに試乗してもらったり、コース上のスタント演技を見物したり、カスタムマシンコンテストの結果発表を見るなど、一般のお客さんに混じ
って、このイベントを楽しんだ。
 帰りは、谷和原ICから常磐道に乗り、あとは首都高目黒線の戸越まで上を走るだけ。現役メカ時代に通い慣れた道なので、まさか間違うことはないだろう…と、油断していたら

サーキットを出てすぐに道に迷ったらしく、どこをどう走ったか、まったく記憶にないまま、最後は、途中で道を訪ねた軽トラのオッサンに谷和原ICまで先導してもらって、無事に常磐道に乗ることができた。
 渋滞の常磐道〜首都高をすり抜けに次ぐすり抜けで駆け抜け、小菅から北に回って初体験の中央環状線を通り、大橋ジャンクションをぐるぐるぐるぐる…と目が回るほど旋回して渋谷線〜環状線〜目黒線と乗り継ぎ、戸越で降りてチサンホテル品川ウエストに到着。直後に雨が降りだしたが、何とか濡れずに済んだ。


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