12月26日の最後に書いたように、片方の個体のみフリーピストンの動きに問題があり、その原因はフリーピストンではなく、リザーバータンクの内壁にあることがわかった。 ピストンではなくタンク内壁に原因があると特定したのは… 1)ロッドの圧縮に伴って下降するフリーピストンが途中で傾くときの場所と向きは、フリーピストンを回転させても変わらない。 2)オイルの総量を増し、フリーピストンを浅い位置で組んでも、下降中のピストンが途中で傾く場所は変わらない(リザーバータンクの同じ箇所で引っかかる感じ)。 …これら2つのテスト結果によってである。1)と2)を合わせれば、タンク内壁の特定の部分に、ピストンのスムーズな摺動を妨げる“何か”があるのは明らかである。 しかし、これもまた、12月14〜22日に書いた、ダストシールやオイルシールの単体でのスティックと同じ |
| く、組み立ててしまえば気にならない些事であるかもしれず、せっかく錫ショットをしたリザーバータンク内壁に、今さら修正やホーニングなどの手を加えたくない。 そんな状況での気休め的対応として、フリーピストンを浅めの位置で組み立てることにした。 浅めといっても、最大限40数mm動くことが可能なフリーピストンを、20mmもストロークさせて組もうというのではない。それをやってしまうと、リザーバータンク内のガス室容積が小さくなり、圧縮時のエアばね反力が急激に立ち上がってしまう。これはフロントフォークの油面を高くしすぎたのと同じ理屈である。 だが、 5mmや10mmなら、計算上はともかく、違いを体感することはできないだろうし、そもそもエアばね反力の立ち上がりが、 STDより少々高くなるのが悪いことだと決めつけるのはいかがなものか…(笑)。 聞くところによると、サスペンシ |
| ョンチューナーの中には、頻繁にメンテナンスをするお客さんのショックユニットの場合、フリーピストンの摺動位置が毎回同じにならないよう(アタリを集中させないため)にわざとフリーピストン位置をズラして組み立てることもあるらしい。 そこまでわかれば、もう迷うことはない。エア抜きのプラグを外した穴に注射器を差し込んでオイルを溜め、空気を吸い込まないように注意しつつ、ロッドを伸びきり位置で固定し、フリーピストンを底突きから10mm手前まで引き出したところでエア抜きプラグを装着し、リザーバータンクのキャップを取りつけた。 あとは、規定圧まで窒素ガスを入れてもらいに行くだけ…なのに、正月休みが終わってもなかなかその時間がとれず、仕事の都合で今後もしばらく無理そうだったので、組み終わったショックユニットを2本、インターバルの今井さんに送りつけるという暴挙に出た(笑)。 |