XJ900の爽快チューン
2011年11月20日 - ダンロップツーリングステーションに、木下恵司さんとともにゲスト出演   
     
 8月の半ばごろ、タムラインターナショナルの田村圭二さんから電話があった。ダンロップ(住友ゴム工業)がプロモーション活動のひとつとして行っている“ダンロップツーリングステーション”に、トークシ
ョーのゲストとして出演してくれないか…というのが用件だった。
 秋に予定されている3回のイベントの最後として、11月20日に滋賀県高島市マキノ町の“マキノピックランド”で開催するとのこと。
 ピックランドと聞いてピンと来なくても“メタセコイア並木”と言えば“ああ、あそこか!”と、わかる

人が多いはず。近県からのツーリングの目的地や経由地として人気の高い並木道の途中にある、果樹園と付帯施設を合わせた農業公園である。
 田村圭二さんといえば、京都の名門レーシングチーム、マックウエスタンの出身で、1980年代半ばに国際A級に昇格したロードレースの選手だった。私は、1985年の筑波(全日本)と、1991年のニュージーランド(パンパシフィック選手権)で彼のメカニックをしたことがある。
 レースをやめてからの彼は、鈴鹿のライディングスクールの先生や、ダンロップのテストライダーを経て

現在はタムラインターナショナルを設立し、ダンロップのサーキットステーション/ツーリングステーション/セーフティライドステーションなどのイベント運営をしている。
 ツーリングステーションというのは、サーキットステーションやセーフティライドステーションとは異なり、何かをするために集まってもらうのではなく、会場に来てもらうこと自体が目的のひとつである。
 じゃんけん大会に参加せず、トークショーも聞かず、ただツーリングの途中に立ち寄って休憩していくだけ…も、もちろんOKである(笑)。
名古屋からZX10Rで駆けつけた、元ワークスライダー・現リターンライダーの木下恵司さん(左)と、運営責任者の田村さん。トークショー第一部の後、わずかな晴れ間に木下さんの愛車を囲み、セッティングのアドバイスを受ける参加者の方々。
 このテのユルい雰囲気が好きな私は、もちろん、喜んで引き受けた。ライディングではなくツーリングだから、ネタには困らない。人前で話をするのも、実は得意である(笑)。
 で、当日は、もちろんバイクで行く…予定だったのに、プライマリードリブンギアコンプリートがらみの作業が長引いたおかげで他の整備ができておらず、当日朝の天気と滋賀県北部の天気予報を見て断念した。
 もうひとりのゲスト、木下恵司さんは「降ってもバイクで行く!」の言葉どおり、 名古屋からZX10Rで走
って来られた。今年の6月登録の最

新型である。ご自慢はリアショックとライディングポジション。 STDベースに自分でセッティングを施したリアショックと、少々立て気味にしたスクリーンとバーの位置を高めた特製ハンドルの組み合わせだ。
 木下号のリアショックを押してみた私は“やっぱりなあ”と納得し、トークショーが始まるまでの約1時間、ストリートバイクの足まわりについて、思うところを語り合った。
 こんなに柔らかく、よく動き、しかも伸び切りショックを感じさせないセッティングのスーパースポーツ系マシンを触ったのは久しぶりだ。

 そんなわけで、10時からのトークショー第一部は、その流れのまま話を進めることにした。ひとことで言うと“ツーリングのための足まわりセッティング”である。司会のお姉さんがネタを振り、木下さんの回答に私が突っ込むというパターンが、お聞きのみなさんには最もわかりやすかったのではないかと思う。
 足まわりの話以外には、ツーリングの楽しさとは…とか、ツーリング中に気をつけていることは…といったQ&Aもあり、言いたいことの半分も話せない、あっという間のトークショー第一部、30分間だった。
悪天候にもかかわらず、ツーリングステーションの名にふさわしい強者200人が集まった。九州や広島からも参加者あり。閉会のころに雨はやみ、南に帰る多くの人も、東に向かった木下さんも、帰路はさほど濡れずに済んだのではないだろうか。
 続いては、じゃんけん大会。ダンロップのTシャツとタオル(各20点くらい)が賞品だ。木下さんと私が交互にお客さんの相手を務め、勝ち残った人に賞品を手渡していく。
 じゃんけん大会の後は、お客さんからの個別の質問に答える時間だ。これがまた、聞かれて嬉しくなるような質問ばかりで、延々と答えていたら、昼メシの時間がなくなってしまった(笑)。木下さんも同様で、結局2人とも、ほとんどトークショーのテントから離れないまま、12時半からの第二部に臨むことになった。
 午後のお題は“80年代のレース”

である。ここで私は、機会があればご本人に直接聞きたいと思っていた
“1983年の日本GPで、スペンサーの背後で転倒した本当の理由”を、ト
ークショーの最初の質問に選んだ。
 木下さんは、今はもう、まったく悔しがらず、しかし当時はとても悔しかったのがわかる語り口で、ジェスチャーをまじえながら、1周めのヘアピン〜スプーンカーブ間で何が起きたかを明かしてくださった。
 冷静な質問者のはずなのに、このあと、自分が何を聞き、何を話したか、まったく忘れてしまった(笑)。
 そして2度目のじゃんけん大会が

あり、そのあと、スポークホイールの振れ修正、エンジンオイルのレベル、タコメーターの異音対策、フロントフォーク内圧の大気開放などについて、次々と質問に答えているうちに、終了予定の14時になった。
 時間は決して充分とは言えず、5時間中4時間半以上は冷たい雨の降る悪天候にもかかわらず、好きなバイクについてしゃべりまくった、楽しく心地よいイベントだった。
 お声かけくださったダンロップ&田村さん、そして聞いてくださった参加者の方々にお礼申し上げます。ありがとうございました。


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