ナチュラル・ミネラルウォーター


GOCCIA di CARNIA(イタリア)
『カルニアの雫』を意味する名の
コルチナ山群・カルニア山地の産
日本でミネラル・ウォーターというと
まず思い浮かぶのが
お酒を飲みに行ったときに出てくる
『水割り用の水』だ。
でも、ヨーロッパのレストランで
ミネラル・ウォーターを注文すると
『デン』とテーブルに置かれるボトルは
天然の湧き水や地下水には違いなくても
圧倒的に炭酸入りが多い。

GOCCIA di CARNIAの炭酸入り。
『Aggiunta di Anidride Carbonica』と
小さな文字で『炭酸入り』を表示

San Benedetto(イタリア)
Venezia近郊・Scorze産の有名な水。
『NATURALE』が炭酸なしを表わす
初めてヨーロッパに行ったとき
正直言ってこれには驚いた。
たぶん、これをお読みのかたの中にも
同じ思いをされたかたは多いはず。
黙っていても水(多くは水道水だ)が
出てきて当然の環境で育った者にとって
わざわざ注文したミネラル・ウォーターが
炭酸入りとあっては
驚いたりがっかりするのも無理はない。

ALBA(イタリア)
Trento近郊・Valli del Pasubio産。
北イタリアには珍しい微弱アルカリ性

S. Bernardo(イタリア)
Franceに近いGaressio(標高1300m)産。
弱炭酸の上品な味は飲食店でおなじみ
でも、飲み慣れてくると
これがけっこうウマい。
『酒は飲みたくないし、ジュースもイヤ』
……というときや
夏の暑い日に
『炭酸飲料が欲しいけれど
アルコール入りは飲みたくないし、
甘ったるいのもイヤ』というときには
まさにうってつけの飲み物だ。

LURISIA(イタリア)
アルプス山麓Cuneo近郊Mondovi産。
絵の背景が緑=炭酸入り、青=炭酸なし

LEVISSIMA(イタリア)
Bormio近郊・Cepina(標高1100m)産。
『FRIZZANTE』が炭酸入りを示す
どんな田舎町でも、100mも歩けば
飲み物の自販機がある日本とは違い
ヨーロッパでは一部の国を除いて
飲み物の自動販売機というのは
大都会でも探すのが大変なぐらい
少ない(または全然ない)ので
夏場に歩き回ったり
車でドライブするときなんか
ミネラル・ウォーターは欠かせない。

S. ANDREA(イタリア)
Parma南郊の山中・Medesano産。
クラシカルなラベルは貴重品?

VICHY CATALAN(スペイン)
Girona産、Catalunyaのトップブランド。
灰っぽくもあり、塩っぱくもある
食料品店やスーパーマーケット
駅や空港の売店はもちろん
高速道路のパーキングエリアの売店や
ガソリンスタンドなどでも
たいてい売られているし
部屋に冷蔵庫のあるホテルでは
必ずと言っていいほど入っているから
自動販売機がなくても
探すのに苦労することはない。

volvic(フランス)
Clermont-Ferrand郊外のVolvic産。
非炭酸系ではボクが最も好きな水

Zurzacher(スイス)
Zuerich近くのライン河畔・Zurzach産。
ドイツの『Gruene Punkt』マーク入り
ただ、南欧では
炭酸入り/なしの両方を用意していて
たいていの店では
どちらがいいか聞いてくれるのに
ドイツ、オーストリア
および東欧諸国では
水と言えば炭酸入りと決まっているなど
国によって炭酸入り/炭酸なしの
割合には違いがある。

Victoria(オランダ)
ライン南岸・Dongenの産。
『SPA』に隠されたマイナーブランド

Altmuehltaler(ドイツ)
Nuernburg南方・Treuchtlingenの産。
独語圏では、特記がなければ炭酸入り
ほとんどが炭酸入りのドイツ語圏では
緑色の分厚いボトルが主流だが
南欧ではボトルや缶入りだからといって
炭酸入りとは限らないので
買うときには注意が必要だ。
そして、おもしろいのは
ミネラル・ウォーターにも
メジャーブランドと
マイナーブランドがあること。

PETERQUELLE(オーストリア)
国境がスロヴェニアに突き出た
シュタイヤーマルク州・Goritz産

PREBLAUER(オーストリア)
シュタイヤーマルクとの州境に近い
ケルンテン州・Graebern-Prebl産
国中どこへ行っても
そして国境を越えても売られている
EVIAN、VITTEL、SPAのような
有名ブランドもあれば
地酒と同じように
ある国の特定の地方でしか買えない
ローカルブランドもあって
珍しいのを見つけては飲み比べるのも
ヨーロッパならではの楽しみである。

Voeslauer(オーストリア)
ウィーン南郊の温泉地Bad Voeslau産。
Salzburgの高級ホテルなどでも飲める


Radenska(スロヴェニア)
最北端、オーストリア国境に近いRadenci産。
オーストリアのPETERQUELLEの産地・Goritzから
Mura(Mur)川を渡って10km以内のところ。
このラベルは旧ユーゴスラヴィア時代のものだが
独立後も同じロゴで販売されている。
夏場、イストラ半島あたりの海岸で飲む
よく冷えたRadenskaの味は格別


日本 天然鉱泉水 炭酸入り 炭酸なし
イギリス Natural Mineral Water Sparkling Still
オランダ Natuurlijk Mineraalwater Koolzuurhoudend
ドイツ Natuerliches Mineralwasser mit Kohlensaeure ohne Kohlensaeure
オーストリア Heil- und Mineralwasser mit Kohlensaeure ohne Kohlensaeure
イタリア Acqua Minerale Naturale con Gas / Frizzante
(Aggiunta di Anidride Carbonica)
non Gas / Naturale
スペイン Agua Mineral Natural con Gas sin Gas
フランス Eau Minerale Naturelle Petillante
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