ヨーロッパの『旅』を楽しむための本 |
ヨーロッパ文化 その形成と空間構造 ISBN4-470-43027-7 |
T.G.ジョーダン著 山本正三・石井英也訳 株式会社大明堂 1989年10月31日発行 定価 5300円 |
『ヨーロッパと一口にいっても、それは、細かくみれば
実に多種多様な地域のモザイクからなる。自然、民族、
産業や生業形態、経済の発展段階、政治制度などは、
それぞれ異なる地域的パターンを呈する。
それらが幾重にも重なってヨーロッパという空間が
形成されているわけである。』(訳者あとがきより)
……というような文化地理学の本。私のバイブルです。 |
ヨーロッパの歴史 欧州共通教科書 ISBN4-487-76164-6 |
フレデリック・ドルーシュ総合編集 木村尚三郎監修 花上克巳訳 東京書籍株式会社 1994年10月25日第1版第1刷発行 定価 6800円 |
EU(欧州連合)12か国の高校生向け教科書として
12人のヨーロッパ人歴史家が4年がかりで執筆した
『最初の汎ヨーロッパ史的教科書』がこれ。
豊富な図版と、読みやすくわかりやすい構成、そして
充実した内容からなる文明論的内容ももちろんだが
こうした教科書が企画され、各国語で刊行されたのは
実に素晴らしいことだ。 |
最新ヨーロッパ各国要覧 Changing Europe and Japan ISBN4-487-79016-6 |
外務省欧亜局監修 東京書籍株式会社 1993年10月1日第1刷発行 定価 2600円 |
その道のプロである外務省欧亜局監修の各国要覧。
ヨーロッパの52か国とEC(ヨーロッパ共同体)に関する
気候、面積、人口、民族、言語などの概況をはじめ
政治、経済、国防、労働、物価、保健、教育
マスメディア、文化、日本との関係などの豊富なデータと
地理、歴史、政治、経済、社会と文化などについての
解説によって構成されている。 |
キーワード事典 ヨーロッパ映画散歩 ISBN4-89691-122-9 |
工藤みゆき編・著 株式会社洋泉社 1993年5月20日発行 定価 2060円 |
『ヨーロッパ映画の場所を歩いてみたい、という
発想から本書は企画された』(同書まえがきより)
……というこの本には『行きたい』と同時に『観たい』と
思わせる効果も備わっている。フランス/パリ、イギリス
イタリア、中欧/北欧、ロシア/東欧、地中海の国々の
6章に分けられた計100本を超す映画の舞台を
軽妙なエッセイで紹介。秀抜な企画が生きる好著。 |
ヨーロッパ文化史散歩 <音楽選書>12 ISBN4-276-37012-4 |
木村尚三郎著 株式会社音楽之友社 1982年4月10日第1刷発行 定価 980円 |
『ヨーロッパ音楽の底にある、ヨーロッパ人 独特の物の考え方、文化のあり方を探り、 日本文化との対比のなかで明らかにしていこう、 そして話をできるだけ具体的なものにしたい というのが、その狙いでした』(同書あとがきより) ヨーロッパ好きにはおなじみ・木村尚三郎東京大学教授 (当時)の、読みやすく楽しいエッセイ集。 |
ブレンナー峠を越えて −ヨーロッパ芸術の光と影− <音楽選書>16 ISBN4-276-37016-7 |
小塩 節著 株式会社音楽之友社 1982年8月10日 第1刷発行 定価 1340円 |
モーツァルトが、ルターが、ヘッセが、アルプスを越え ブレンナーを越えてイタリアへ向かったのはなぜか? そして、峠の向こうのイタリアで、彼らは何を発見し イタリアは彼らにどんな影響を与えたのか……? ドイツ的“精神”とイタリア的“感覚”のおりなす ドラマを中心に、ヨーロッパの文化と芸術に関する エッセイを、旅行記的なタッチで描いている。 |
読む事典 フランス ISBN4-385-34271-7 |
菅野昭正・木村尚三郎・ 高階秀爾・荻昌弘編 株式会社三省堂 1990年9月10日 第1刷発行 定価 4500円 |
その名のとおり、フランスに関する『読める事典』。 地理、歴史に始まり、政治、経済、科学・技術、社会 教育、マスコミ、宗教、思想、芸術、生活など広汎な 新旧、硬軟織り交ぜたフランスに関する膨大な情報を 親しみやすい読み物形式の内に網羅している。 巻末の索引が充実しているのも特徴で これが事典としての使い勝手を優れたものにしている。 |
トマス・クック物語 近代ツーリズムの創始者 ISBN4-12-002480-6 |
ピアーズ・ブレンドン著 石井昭夫訳 中央公論社 1995年9月10日初版発行 定価 3800円 |
鉄道時刻表と旅行代理店で有名なトマス・クック &サン社の創業者であるトマス・クックとその息子ジョンが どのようにして近代ツーリズムを興し、発展させたかを 彼ら2人の伝記と彼らが創った会社の歴史を通して検証。 単なる伝記や社史に留まらず、時代ごとのツーリズムや 旅行者の生態、旅行に対する人々の考え方などにも 筆は及び、貴重な歴史的資料ともなっている。 |
世界の温泉地 温泉リゾートの発達と現状 ISBN4-470-54008-0 |
山村順次著 株式会社大明堂 1990年6月26日発行 定価 3090円 |
地理関係の学術書ではあるが、巻頭のカラー写真や 国別の編集により、ガイドブックのような楽しさがある。 国ごとの章では、温泉地の発達について概観した後 温泉地ごとに、その歴史と現状を人文地理学的に詳述。 集落内の浴場立地地図、湯治客の居住地分布地図 さらには近世の入浴風景などの図版も多数収録。 ページ数の約半分をヨーロッパの温泉地が占める。 |
カタルーニャ50のQ&A <新潮選書> ISBN4-10-600420-8 |
田澤 耕著 株式会社新潮社 1992年5月25日発行 定価 850円 |
「ボン・ディア」……バルセロナの街角で、こんな スペイン語ではなく、明らかにラテン系なんだけど フランス語でもイタリア語でもない言葉に興味を持ったら そこがカタルーニャ研究のスタート地点。 銀行員としてスペインに赴任し、カタルーニャに 興味を持ち、ついには言語社会学者になった著者の カタルーニャに対する思い入れたっぷりの入門書。 |
ヨーロッパ 上/下 民族のモザイク ISBN4-309-22179-3(上) ISBN4-309-22180-7(下) |
フローラ・ルイス著 友田錫訳 河出書房新社 1990年8月31日初版発行 定価 上下各3600円 |
在ヨーロッパのアメリカ人女性ジャーナリストの フローラ・ルイスが『ヨーロッパという一つの文明』を 自分の足と目で取材し、批評を加えてまとめあげた ジャーナリストならではの生きたヨーロッパ論。 対象は、東西ヨーロッパにまたがる48の国または地域。 それぞれが一つの章を構成し、最後に 機構としてのヨーロッパ『欧州共同体』の部が付属。 |
ヨーロッパ的発想とは何か 統合ECを支える多元性と普遍主義 ISBN4-569-53712-X |
竹内佐和子著 PHP研究所 1992年9月3日第1版第1刷発行 定価 1450円 |
経済学者として日仏の大学や研究所に籍を置く著者が ヨーロッパの『多元性』と『普遍主義』、そして 両者のせめぎ合いを統合に向けて進むECの核と捉え フランスでの日常生活に始まり、歴史的、社会的事象に 見られる『多元性』や『普遍主義』と、その原因であり 結果でもある『ヨーロッパ的発想』について 平易な文章で書き綴った好著。 |
英国を知る辞典 Dictionary of Britain ISBN4-327-46111-3 |
エイドリアン・ルーム著 渡辺時夫監訳 研究社出版株式会社 1988年8月15日 初版発行 定価 4000円 |
『英国と英国人に関することで、外国人から見て 興味深くおもしろい事柄、あるいは不思議なことや 時には理解に苦しむ事柄などがすべて説明されている』 (同書原著の序より)……というこの本は 『Dictionary of Britain』の原題どおり、英国の政治から 英国人の暮らしぶりに至るまで、3000以上の項目を A to Zに並べた、文字どおり『英国を知る』事典である。 |
東欧の歴史 ISBN4-12-002213-7 |
アンリ・ボグダン著 高井道夫訳 中央公論社 1993年4月28日初版発行 定価 4800円 |
紀元前1千年紀から1990年に至る東欧の歴史を 緻密な取材と詳細な資料を元に書き下ろした大作。 『かれはこの地域の歴史を民族意識というひとつの視座 からみることによって、歴史の過程で民族としての独自性を 自覚したのち、民族的アイデンティティの確立をめざして 歩きつづける各民族の姿をいきいきと描きだすことに 成功した』(同書訳者あとがきより) |
東欧を知る事典 Cyclopedia of Eastern Europe ISBN4-582-12620-0 |
伊東孝之+直野敦+ 萩原直+南塚信吾監修 株式会社平凡社 1993年12月8日初版第1刷発行 定価 7800円 |
日本語で書かれたものとしては唯一の東欧の事典。 地名、人名、事件に始まり制度、文化、風習に至るまで 208人の執筆陣による3000項目を超す『項目編』の他 独立して詳述された『地域・国名編』と『資料編』 そして『索引』によって構成されている。 資料編には項目別、国別に分類された『文献案内』がある。 同社は『スペイン・ポルトガルを知る事典』も刊行。 |
ブルターニュへの旅 フランス文化の基層を求めて 朝日選書 465 ISBN4-02-259565-5 |
田辺 保著 朝日新聞社 1992年12月25日第1刷発行 定価 1300円 |
『本書の存在理由は最初から「ブルターニュの中に 入りこむ」ことだったのだとここではっきり言っておこう。 「ブルターニュの旅」でなく、「ブルターニュへの旅」である ゆえんである』(同書あとがきより) ……というフランス文学者である著者の、フランス文化 とくに文学の基層に迫る研究を、ブルターニュへの旅に 織り込み、楽しめる旅行記の体裁にまとめている。 |
心に刻む歴史 ドイツと日本の戦後50年 ワイツゼッカー前独大統領講演詳録 東京ブックレット 16 ISBN4-8083-0539-9 |
東京新聞戦後50年取材班編 東京新聞出版局 1995年8月29日第1刷発行 定価 600円 |
1984年以来、2期10年間にわたってドイツ連邦共和国の 大統領を務めたリヒャルト・フォン・ワイツゼッカーが 戦後50周年の1995年に来日し、講演したときの詳録。 第二次世界大戦中は将校として欧州東部戦線に従軍した 彼は、戦後は一貫してキリスト教民主同盟(CDU)の リベラル派政治家の道を歩み、大統領就任翌年の 『大戦終結の日』の演説は多くの国民の感動と共感を得た。 |
ウィーン 最後のワルツ LAST WALTZ IN VIENNA ISBN4-10-525401-4 |
ジョージ・クレア著
兼武 進訳 株式会社新潮社 1992年10月25日発行 定価 2200円 |
『『ヒューマン・ドキュメント』とは、いかにも批評家の 常套句だ。それを承知のうえでいうのだが、この感動的な 記録は、まさに『ヒューマン・ドキュメント』としか いいようがない』(同書カバーのブックセラー評より) 1920年、ウィーン在住ユダヤ人家庭に生まれた著者は ウィーンを去ってナチズムを逃れ、イギリス軍兵士となる。 そんな彼と彼の一族の興隆から崩壊までの記録。 |
ロンドン 旅の雑学ノート 紳士と淑女の国のライフスタイル 0026-754350-4405 |
玉村豊男著 ダイヤモンド社 1980年3月1日初版発行 定価 1200円 |
ヨーロッパ関する多くの著作を有するフリーランス・ライター でありコラムニストの著者が『パリ 旅の雑学ノート』に 次いで1980年に著したロンドンに関するエッセイ集。 パブの生態学、ヒマ潰しのテクニック、犬と淑女と ローストビーフ、サンドイッチの発想、暖炉と裏庭 左側通行の国、ユニオン・ジャックの解読法……などの 内容により、英国的ライフスタイルの真髄に迫る。 |
ヨーロッパの集落デザイン (1)イギリス/フランス/ドイツ編 (2)スペイン/ポルトガル/ イタリア/ベネルックス編 ISBN4-7661-0728-4 (1) ISBN4-7661-0729-2 (2) |
井上 裕・浩子著 株式会社グラフィック社 1992年11月25日(1) 1993年10月25日(2) 初版第1刷発行 定価(1)(2)各3980円 |
名所でも旧跡でもなく、ヨーロッパのどこにでもある 集落とそれを構成する建物、景観などに的を絞り 美しい写真と丹念なフィールドワークに基づく解説で 紹介した写真集。眺めているだけで、名も知らぬ ヨーロッパの村や小さな町の『良さ』が伝わってくる。 建築、都市計画関係の研究の成果をまとめた本だが ヴァーチャルツアーを体験したい人にもおすすめ。 |
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