Good Old Days - The Emergence of the Japanese Racing Machines
1955年・第1回浅間高原レース
ROAD RACING STARTED AT ASAMA
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第1回浅間高原レースは、1955年(昭和30年)11月5〜6日に開催された。北軽井沢をスタート地点とするコースは、公道(舗装路ではない)を用い、全長は19.2q。30秒間隔で2台ずつコースインするインターバルスタートだった。

2級国道、町村道などをつないだ1周19.2kmの公道コース

レース結果は、各ライダーの順位とゴール時の前車との差だけが発表された。レースタイム(トータルタイム)やラップタイムは一切公表されなかった。主催者側より報道陣に対して、レースタイムなどについては発表しないよう、再三にわたり、要請というよりも命令があったとのことである。私はこの理由の真意を知らない。

125ccクラスでは、ヤマハの日吉昇、小長谷茂、望月修、岡田輝夫が1〜4位を占め、スズキの山下林作、鈴木英夫、神谷敏夫が5〜7位、8位はベビーライラックの幸田で、スズキの市野三千雄は17位、伊藤利一は途中で棄権した。ホンダは完敗。スズキのマシンはSV型(2ストローク単気筒、ボア×ストローク:φ52×58mm、4段ミッション)だった。

250ccクラスでは、シャフトドライブのライラックに乗る若冠16歳の伊藤史朗(いとうふみお)が優勝。2位はホンダの谷口尚巳だった。


125ccクラス7位の神谷敏夫(スズキSV)

350ccクラスと500ccクラスは同時にレースが行われた。先に500cc、続いて350ccが、2台ずつ30秒間隔でスタート。350ccでは、ホンダの大村美樹夫、佐藤市郎、中村が1〜3位を占め、4位に陸王の平田、5位にマシンを押してゴールしたホンダの鈴木義一が入った。

500ccクラスは、優勝がホンダの鈴木淳三。2、3位はDSKの井上武蔵と杉山義雄、4位はメグロの松川実だったが、DSKとメグロは外国製部品の使用により失格となり、キャブトン勢が2〜4位に繰り上がった。なお、350ccで優勝した大村美樹夫のレースタイムは、500ccで優勝した鈴木淳三より7分41秒も速かった。

こうして日本最初のオートバイのビッグレースは幕を閉じた。



1955年・第1回浅間高原レース